生活保護額の基準額引き下げは違法として取り消した大阪地裁判決を不服として、被告の大阪市など大阪府内の12自治体が3月5日、控訴した。同種訴訟は全国29都道府県で起こされているが、自治体側の処分取り消し判決は初めてだった。
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生活保護引き下げは違法 大阪地裁が初の減額取り消す判決
大阪地方裁判所は2月22日、国が生活保護の支給額を平成25年から平成27年にかけて最大で10%引き下げたことの是非をを巡る裁判で、「最低限度の生活の具体化に関する国の判断や手続きに誤りがあり、裁量権を逸脱・乱用し、違法だ」として、支給額の引き下げを取り消す判決を言い渡した。
平成25年度からの生活保護の支給額の引き下げを巡っては、大阪府内の受給者42人が減額取り消しなどを求めていたほか、全国29地裁(原告約900人)で集団訴訟が起こされ、判決の言い渡しは2件目だったが、違法と判断して引き下げを取り消したのは今回が初めて。
公立小中学校のバリアフリー化 近畿はいずれも全国平均上回る
文部科学省の全国の公立小中学校のバリアフリー状況の調査によると、車いす利用者のトイレを設置している学校は、大阪府の96.4%の全国トップを筆頭に、近畿2府4県はいずれも全国平均の65.2%を上回った。
また、校舎の玄関から教室までの段差をスロープで解消している学校は、滋賀県の96.5%を筆頭にいずれも全国平均の57.3%を上回った。このほか、エレベーターを設置している学校は滋賀県、兵庫県、大阪府はそれぞれ、全国平均の27.1%を上回った。文部科学省は2020年5月、全国2万8,000校余りを対象に設置・設営状況を調査した。
大阪市 医療的ケア必要な子どもの保育所支援へ 経費補助
大阪市は4月から、たんの吸引など医療的なケアが必要な子どもの保育の受け皿を広げるため、こうした子どもを受け入れる看護師を置いた民間の認可保育所に、経費を補助する独自の方針を固めた。
看護師1人につき最大でおよそ550万円を補助する。たんの吸引や人工呼吸器など医療的なケアが必要な子どもを預かる場合、看護師の配置など手厚い体制が必要なことから、受け入れが思うように進んでいないのが現状。
旧優生保護法 違憲と認定も棄却 国の賠償責任認めず 大阪地裁
旧優生保護法のもとで、昭和40年代に不妊手術を強制された人たちが国を訴えた裁判の判決で、大阪地方裁判所は11月30日、旧優生保護法を憲法違反と認定した一方で、「提訴の時点で賠償請求できる権利は消滅している」との判断を示し、訴えを退けた。
旧優生保護法を巡って各地の裁判所で起こされている同様の裁判で1審の判決は今回が3例目だったが、いずれも国の賠償責任を認めない判断となった。
大阪府とUSJ 英語教育や観光・地域活性化などで連携協定
大阪府は11月24日、民間のノウハウを子どもたちの英語教育や観光戦略などに生かそうと、大阪のテーマパークUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)と連携して取り組む協定を結んだと発表した。締結式には大阪府の吉村知事と、USJの運営会社のボニエ社長が出席し、①子どもの教育②観光と地域活性化-など7つの分野で連携して取り組むとした協定書を交わした。
具体的には英語教育への支援として、外国人スタッフが出演して英会話を学べるDVDの教材を作成し、府内の公立の小中学校などに寄贈するほか、USJで11月25日から、子どもたちがスタッフと英語でのコミュニケーションに挑戦できる取り組みを始める。また、USJが持つ観光に関するマーケティングのノウハウを活用し、2025年の大阪・関西万博に向けて、効果的なプロモーションを行うとしている。