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「消費者白書」認知症高齢者のトラブル相談9,618件で最多

今年の「消費者白書」によると、2024年1年間に全国の消費者生活センターなどに寄せられた相談件数はおよそ90万件で、前年より1万4,000件余り減少した。ただ、このうち認知症などで十分な判断ができない高齢者のトラブル相談は9,618件に上り、この10年間で最多となった。
相談内容は「訪問販売」と「電話勧誘」によるものが46%余りを占めており、相談のほとんどは家族など本人以外から寄せられているという。内容は不要な契約をさせられるなどのトラブルで、周囲の”見守り”が必要だと指摘している。

介護福祉士, 国家試験”不合格でもOK”特例適用8,000人超え

介護現場の人手不足を背景に、介護分野の国家資格「介護福祉士」試験に不合格でも、国が指定する養成施設を卒業すれば取得できる「特例措置」の適用者が2017年以降、外国人を中心に8,000人を超えた。
特例措置は、言葉の問題などで試験の合格率が低い外国人が働けるようにするための措置。経過措置として、養成施設卒業者は国家試験が不合格でも5年間は介護福祉士として登録でき、介護現場で働き続ければ期限の定めのない介護福祉士になれる特例が導入された。特例は当初2021年度までだったが、2026年度の卒業者まで対象に延長されている。
社会福祉振興・試験センターによると、特例の適用者数は2017年度は年110人だったが、2020年度以降は年1,000人台で推移し、2024年度まで累計8,033人に上る。日本介護福祉士養成施設協会の調査では、2023年度までの7年間に養成施設を卒業した外国人留学生8,346人のうち、卒業時に国家試験に合格したのは3,284人、残る5,000人超が特例措置の適用を受ける対象だった。

認知症の診断後 介護サービスを受けるまで平均1年3カ月

厚生労働省の研究班のまとめによると、認知症と診断された後、デイサービスなど介護保険サービスを受けるまで平均1年3カ月ほどかかることが分かった。8年前に行った前回調査よりおよそ2カ月短縮された。ただ、研究班は診断後の”空白期間”が長くなると、症状がより進行する恐れがあるとして、早期に支援に結びつける体制や情報提供が急務だと指摘している。
調査は1月に、全国の認知症疾患医療センターなどを通じて、認知症と診断された家族およそ130人余りに行い、速報値としてまとめた。

量研機構が脳画像解析 中高年うつ病に認知症たんぱく質関与

量子科学技術研究開発機構(QST)などは、40歳以上でうつ病などの気分障害を発症した患者の脳に、認知症の原因の一つになるたんぱく質が蓄積していることがあると明らかにした。同機構が開発した薬剤を使って撮影した脳画像を解析した。
認知症には「タウ」や「アミロイドβ(ベータ)」などたんぱく質が脳にたまることで発症するものがある。近年、認知症の前段階として、中高年でうつ病や双極性障害などの気分障害を発症する可能性が指摘されている。ただ、気分障害の発症とたんぱく質蓄積の関係について調べるのは難しかった。

24年認知症の行方不明1万8,121人, 8割弱は5km圏内で死亡

警察庁のまとめによると、2024年に全国の警察に届け出があった、認知症やその疑いがある行方不明者が、前年比918人減の延べ1万8,121人だったことが分かった。前年から減少したものの、いぜんとして高い水準で推移している。認知症の行方不明者は、統計を取り始めた2012年から2倍近くに増えている。
発見時に死亡が確認されたのは491人で、このうち77.8%の382人は、最後に姿が確認された場所から5km圏内で発見された。以下、5km超〜50km以内で見つかったのは93人、50kmを超える地点で見つかった人は15人だった。
亡くなった場所は河川や河川敷が115人で最も多く、以下、用水路・側溝が79人、山林が71人などと続いている。

24年度生活保護申請25.9万件, 5年連続増 全受給164万世帯

厚生労働省の調査によると、2024年度の生活保護申請件数が前年度比3.2%増の25万9,353件(速報値)となったことが分かった。前年度を上回るのは5年連続。高齢単身世帯の増加を背景に、申請件数が伸びた。
3月時点の生活保護の全受給世帯数は164万7,346世帯で、0.2%減。一時的な保護停止中の世帯を除く内訳は、高齢者世帯が55.4%を占め、失業者を含む「その他の世帯」は15.9%だった。
なお、今年3月の生活保護申請件数は前年同月比4.0%増の2万2,484件(速報値)で、3カ月連続で前年同月を上回った。

京進 インドとネパールに日本語学校「特定技能」人材育成

学習塾運営の京進は2025年内にインドとネパールで、日本での就職を希望する現地の人材を対象とした日本語学校を新設する。日本で人手不足が深刻な介護やサービス業の分野で「特定技能」資格を取得し、働く人材として送り出す。ジンドでは北東部のアッサム州グワハティなど数カ所に教室を開設する。
少子化が進み、学習塾事業の経営環境が厳しくなる中、京進は日本語教育事業を収益の柱に育てる。日本経済新聞が報じた。

政府「特定技能」に3分野追加案提示「育成就労」17分野

政府は5月20日、人手不足が顕著な業種で外国人労働者を受け入れる在留資格「特定技能」の対象分野について、物流倉庫の管理、シーツやタオルなどのリネン製品の供給、廃棄物処理の3分野を追加する案を政府の有識者会議で示した。特定技能は2019年に制度が始まり、現在は農業、介護、外食産業など16分野が対象となっており、今回示した3分野が加わると合わせて19分野となる。今年12月の閣議決定を目指す。
外国人技能実習制度に代わって始まる「育成就労制度」は、原則3年で技能水準を習得し、特定技能へ移行する運用を想定している。育成就労の対象は、特定技能の分野から自動車運送業と航空分野を除いた計17分野とする方向で検討している。

米FDA 富士レビオ系アルツハイマー血液診断キット初承認

米食品医薬品局(FDA)は5月16日、アルツハイマー病を血液で診断する検査キットの販売を初めて承認した。申請したのは、H.U.グループホールディングス傘下の検査薬メーカー、富士レビオ(本社:東京都)の子会社で米国に拠点を置く富士レビオ・ダイアグノスティクス。
今回の承認を受け、富士レビオは6月中の販売を目指す。病気の兆候や症状がある55歳以上が対象。血漿(けっしょう)中の、アミロイドβ(ベータ)など異常なたんぱく質の濃度を測定し、脳内に塊ができているかどうかを判断する。従来の検査法よりも患者の負担を軽減し、病気の早期診断につながることが期待される。

26年度にも出産費用無償化へ大筋了承 厚労省

厚生労働省は5月14日、出産費用にかかる妊婦の自己負担を2026年度にも原則無償化する方針示した取りまとめの案を、政府の有識者会議に提示し、大筋で了承された。今後、社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の医療保険部会で、無償化へ向けた具体的な制度設計を検討する方針だ。
現行制度では、正常なお産は公的医療保険が適用されない代わりに、政府が出産育児一時金50万円を支給している。ただ、出産費用は医療機関によって差が大きく、50万円を超えるケースも多い。そのため、医療機関の経営実態にも配慮しながら、2026年度をめどに自己負担無償化に向けた具体的な制度設計を進める。