月別アーカイブ: 2018年8月

中央省庁の障害者雇用の”水増し”計1000人超の見通し

中央省庁の障害者雇用の”水増し”計1000人超の見通し

厚生労働省などによると、複数の中央省庁で雇用する障害者の数に、合わせて1000人を超える”水増し”があったことが分かってきた。現時点で総務省、国土交通省、経済産業省、国税庁、環境省の少なくとも5つの省庁で水増しが行われた疑いがあり、ほかの省庁にも広がる見通し。
厚生労働省などによると、2017年6月の時点で中央省庁で働く障害者は合わせて6000人余りだったが、このうち水増しされた人数は1000人を数える見通しとなった。職員に占める障害者の割合は省庁全体で2.49%とされ、当時義務付けられていた2.3%を達成していたが、水増し分を除くとこれを下回っている。
厚生労働省は近く調査結果を取りまとめ、公表する。

自治体で未就学児の医療費の窓口減免広がる

自治体で未就学児の医療費の窓口減免広がる

安倍政権の少子化対策の一環として、4月からの罰則廃止に伴い、小学校入学前の子どもの医療費助成で、自治体による医療機関の窓口負担を減らしたり、免除したりする取り組みが広がっている。2019年度までに計43都道府県の全市区町村で患者が窓口で支払う医療費は減免される。
未就学児の医療費の自己負担割合は原則2割だが、子育て支援のため独自に助成する市町村は多い。ただ、国は肥大化する医療費抑制のため、窓口減免する市町村に対し、これまでは国民健康保険(国保)の財源のうち、公費負担分を減らす罰則を設定。減額幅は最大約14%で、総額年75億円規模に上っていた。
しかし、安倍政権は重視する少子化対策に逆行するとの判断から、未就学児について4月からこの罰則を廃止した。

東京海上日動「がん休業」「介護休業」時の企業負担費用を補償

東京海上日動「がん休業」「介護休業」時の企業負担費用を補償

東京海上日動火災保険(本店:東京都千代田区)は8月15日、2018年10月から従業員のがん治療のための休業や介護休業時の企業負担費用を補償する保険の提供を開始すると発表した。
この特約は従業員の休職期間中に事業主が負担する補償対象者に対する社会保険料(健康保険料、厚生年金保険料、介護保険料等)や、補償対象者が休業している期間の業務を代替するための求人または採用に要した費用(広告費用、採用の外部委託費用等)等を補償するもの。
これは「がん・介護休業時事業継続費用補償特約」で、従業員の就労継続を支援するための保険。また同社は同時に、復職支援に活用できる「職場復帰支援サービス」も提供する。

調査事業所の半数近くで違法な長時間労働 厚労省調べ

調査事業所の半数近くで違法な長時間労働 厚労省調べ

厚生労働省が昨年度、過労死などが起きるなどした全国の事業所2万5676カ所を対象に実施した立ち入り調査の結果、労使協定の上限を超える違法な長時間労働が行われていた事業所は1万1592カ所と、全体の45%と半数近くに上ったことが分かった。
またこのうちの74%にあたる8592カ所で、1カ月あたりの残業時間が”過労死ライン”とされる80時間を超えている人がいた。中には異常な、1カ月で310時間の残業をさせていた事業所もあったという。
今年6月に成立した働き方改革関連法で、時間外労働の罰則付きの上限規制が大企業では2019年4月1日から、中小企業では2020年4月1日からそれぞれ始まる。

ヘルパーの月給いぜん20万円下回る 17年度調査

ヘルパーの月給いぜん20万円下回る 17年度調査

介護労働安定センターがこのほど公表した2017年度の「介護労働実態調査」によると、月給で働く介護職員の所定内賃金は、前年度より3302円改善され平均で21万1464円となっている。
ただ、このうち現場で事実上、介護業務を担うホームヘルパーの月給は平均で前年度比1445円増の19万8486円にとどまり、いぜんとして20万円を下回っている。
国の「賃金構造基本統計調査」の直近の数字では全産業の平均が30万4300円と報告されており、その差はあまり縮まっていない。いぜんとして、介護職員平均とは9万2836円、ヘルパーとは10万5814円もの開きがある。これでは介護業界の人手不足解消はとてもおぼつかない。
この調査は2017年10月、全国1万7638の施設・事業所を対象に実施。回答した49.8%の8782施設・事業所で働く4万139人の職員(うち介護職員1万9188人、ホームヘルパー2458人)、5902人の管理者・施設長のデータを集計。

熱中症搬送者すでに7万人超で過去最多に

熱中症搬送者すでに7万人超で過去最多に

総務省消防庁のまとめによると、7月30~8月5日の1週間に熱中症で病院に搬送された人は、全国で1万3575人に上ったことが分かった。この結果、今年4月末からの搬送者数は合わせて7万1266人となり、前年同期の2倍近くに達したほか、過去最も多かった平成25年6月から9月の5万8729人をすでに大きく上回った。
年齢別では65歳以上の高齢者が6197人と全体の半数近くを占めた。症状の程度は死亡者13人、入院が必要な人4362人、このうち3週間以上の入院が必要な重症者は194人だった。都道府県別では東京都が最多の1346人、埼玉県が977人、愛知県が938人、神奈川県が918人と続いた。

理研 アルツハイマー病の原因遺伝子を新たに同定

理研 アルツハイマー病の原因遺伝子を新たに同定

理化学研究所(理研)生命医科学研究センター医科学数理研究チームの角田達彦チームリーダーらの共同研究グループは、マウスとヒトのデータを統合的に解析することで、アルツハイマー病の原因遺伝子を新たに同定した。
今回共同研究グループは、マウスの遺伝子発現と表現型の関連データと、ヒトのアルツハイマー病のゲノムワイド関連解析のデータとを統合的に解析した。その結果、これまでにアルツハイマー病との関係が知られていない遺伝子を新たに検出したもの。
このように、ヒトとモデル動物からの異なるタイプのデータを統合解析することで、これまでのヒトのGWASだけでは検出されなかった新しい疾患関連遺伝子を発見できる可能性が明らかになった。また、新たな遺伝子を同定できたことで、これまでに蓄積した様々な知見に基づき、アルツハイマー病の発病メカニズムを解明できる可能性が示された。

コニカミノルタなどIoT活用の介護支援サービスで実証事業

コニカミノルタなどIoT活用の介護支援サービスで実証事業

コニカミノルタ、シャープ、セコム、KDDIの4社は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下、NEDO)が推進するプロジェクト「IoTを活用した新産業基盤整備事業/IoTを活用したライフデータの高度利用システムの開発(以下、本プロジェクト)」に参画する。
本プロジェクトでは、日常生活で利用する機器やサービスから取得されるライフデータを、複数の機器メーカー、およびサービス事業者間で相互に有効活用するためのクラウド上の環境整備を目的とした委託事業と、そのクラウド環境を活用し、超高齢社会に貢献するサービス創出を目指す助成事業の2テーマに関して実証事業を行う。
委託事業にはシャープとKDDIが、助成事業にはコニカミノルタ、、シャープ、セコムが参画する。コニカミノルタは同社の「ケアサポートソリューション」導入の介護施設入居の約20名を対象に、高齢者の行動特性把握に関する研究開発(介護支援サービス)、シャープとセコムは「セコム暮らしのパートナー久我山」の活動エリア内のアクティブシニアの方々約50名を対象に、高齢者の生活支援サービスや、高齢者の健康相談サービスについて実証実験を行う。実証期間は2018年9月上旬~2019年3月15日まで。

パナソニック、関電など 地域包括ケアシステムの実証実験

パナソニック、関電など 地域包括ケアシステムの実証開始

パナソニック(本社:大阪府門真市)、関西電力(本社:大阪市北区)、メディカルシステムネットワーク(本社:北海道札幌市)の3社は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の事業、ライフデータの有効活用により社会課題解決を図る新たなサービス創出を可能とするための環境整備を目的とした「IoTを活用した新産業モデル創出基盤整備事業」に採択され、実証実験を開始した。実証期間は2018年7月~2019年3月まで。
IoT家電、センサー情報の協調データの集約と、高齢者の生活をサポートするための高次データ処理を行うデータプラットフォームを構築する。また、これに基づき地域包括支援センターや訪問介護事業者、薬局など様々な事業者が参画し、高齢者の生活をサポートするためのサービス創出を目的とする。

高額療養費制度8/1から70歳以上は年収に応じ負担増

高額療養費制度8/1から70歳以上は年収に応じ負担増

高額療養費制度の仕組みが8月1日から変わり、70歳以上の人の上限額が一部引き上げられ、年収に応じて負担が増える。
年収がおよそ370万円以上の人は、個人の上限額がなくなって世帯ごとの上限額だけになる。世帯ごとの上限額はこれまで一律で8万1000円だったが、8月1日からは年収に応じて3つに分けられた。
年収がおよそ1160万円以上の場合は25万2600円に、年収がおよそ770万円から1160万円の場合は16万7400円に引き上げられる。年収がおよそ370万円から770万円の場合は8万1000円のままだ。
なお年収がおよそ370万円未満の人は、個人と世帯ごと、それぞれの自己負担の上限がこれまで通り設けられる。
高額療養費制度は、年齢や収入に応じて毎月の医療費の自己負担に上限を設け、それを超えた分が後で払い戻される仕組み。