月別アーカイブ: 2018年5月

介護人材不足は2035年に79万人、15年の20倍に

介護人材不足は2035年に79万人、15年の20倍に

経済産業省の試算によると、介護人材不足が2035年に2015年の約20倍の79万人に達することが分かった。高齢化の進展に加え、政府が目指す介護離職解消の過程で、要介護者を抱える家族による「介護サービス」の需要が急増するとみられるためだ。
経産省によると、介護関連の従事者数は2015年が183万人で、人材不足は4万人だった、しかし、2025年には供給が215万人で、不足は43万人の拡大すると見込まれている。そして、団塊世代が85歳を超える2035年には、供給が228万人で不足は79万人に膨らむと試算した。
人材不足解消に向け、現行の規制の枠に捉われない、官民挙げての積極的な外国人活用施策の推進、そして介護分野に就労しやすい環境整備が急務となっている。

保育の質議論する有識者会議立ち上げへ、基準緩和も検討か

保育の質議論する有識者会議立ち上げへ 基準緩和も検討か

厚生労働省は、保育の質を議論する有識者会議を5月中にも立ち上げる方針を固めた。この中で、一人の保育士が受け持つ子どもの数や必要な部屋の広さなど現行の最低基準にも検討を加える見通し。
この議論次第では現行より少ない保育士数や狭い面積など、解消されない待機児童問題と絡み、基準を引き下げる方向に進む可能性もある。同有識者会議では学識経験者らが海外の先進事例との比較や、保育関係者に聞き取りすることなどを検討している。

消費税10%で2.2兆円の家計負担増 日銀まとめ

消費税10%で2.2兆円の家計負担増 日銀まとめ

日本銀行がまとめた、2019年10月に予定される消費増税(8%から10%へ)の試算によると、一般家庭の負担額は2.2兆円で、前回2014年の増税時4分の1程度にとどまる見通しだ。日銀が4月の「経済・物価情勢の展望」で示した。
消費増税による負担増だけでなく、税制改正や社会保障費などの影響も考慮に入れている。2019年10月の税率引き上げに伴う直接的な影響は5.6兆円。一方、軽減税率で1兆円、教育無償化で1.4兆円、年金額改正で6000億円といった軽減要素が見込め、これらを勘案すると、全体で差し引き2.2兆円になるとしている。

理研 アルツハイマー発症しにくい遺伝子をマウスで発見

理研 アルツハイマー発症しにくい遺伝子をマウスで発見

理化学研究所の西道隆臣チームリーダー、永田健一研究員らは、アルツハイマー病の原因物質である「アミロイドベータ」が脳の中でたまらないようにする遺伝子の領域をマウスの実験で発見した。
遺伝子を改変する「ゲノム編集」で、この領域を切断すると、アミロイドベータが減った。ゲノム編集をしないマウスに比べて、アミロイドベータが半分以下になった。これにより、病気を予防する薬の開発につながる可能性がある。この成果は、5月4日付の英科学誌ネイチャーコミュニケーションズ(電子版)に掲載される。
研究チームは今後、人間でも同じような遺伝子の変化を持つ場合に、アルツハイマー病になりにくいかを検証する。また、遺伝子の働きを抑えるRNA(リボ核酸)を使った核酸医薬や、遺伝子を切断するゲノム編集で病気を予防する薬の開発を目指す。

子供の数1553万人で37年連続減少 過去最低を更新

子供の数1553万人で37年連続減少 過去最低を更新

総務省の推計によると、4月1日現在の15歳未満の子供の数は、男子が795万人、女子が758万人の合わせて1553万人となっている。子供の数は昨年、過去最少の1570万人だったが、今年はそれをさらに17万人下回って過去最低を更新し、昭和57年から37年連続で減少した。
この結果、総人口に占める子供の割合は、昨年に比べ0.1㌽下がり12.3%と過去最低を更新し、昭和50年から44年連続の低下となり、国の懸案ともなっている少子化に、一向に歯止めがかかっていない状況が浮き彫りになっている。
2017年10月1日現在の都道府県別の子供の数をみると、東京都だけが4年連続の増となったが、他の46道府県はいずれも減少している。

豊通オールライフ 訪問医療マッサージ事業に参入

豊通オールライフ 訪問医療マッサージ事業に参入

豊田通商グループの介護ヘルスケア事業会社、豊通オールライフは訪問医療マッサージ治療院「AVic(エービック)オールライフ治療院」を開設し、訪問医療マッサージ事業に参入した。
同社は、訪問医療マッサージ業界最大手LEIS(本社:神戸市)の最新の管理システムを導入し、オーダーメード型の訪問医療マッサージを目指す。同事業を通じて、歩行困難や寝たきりの人々の身体機能の維持・向上や、日常生活動作および生活の質(QOL)の維持・向上を支援する。
さらに、業界全体の課題といわれる病院・クリニックなどとの連携強化やレセプト作成・療養費請求の適正化を推進し、国の医療費抑制にも寄与することを目指す。
訪問医療マッサージは自立支援促進に向けたサービスの一つとして注目されており、市場規模は2015年度で700億円と推計され、今後さらに拡大が見込まれている。

パナソニック 介護デイサービス向けに配車システム

パナソニック 介護デイサービス向けに配車システム

パナソニックは、AI(人工知能)を活用し、デイサービスなどの利用者の送迎を効率化する配車システムを開発し、6月から介護事業者向けに提供を始める。
デイサービスを利用するため施設に通う高齢者らの情報を入力すると、それぞれの自宅を回って送り迎えするのに最適なルートや乗り合い者を選定してくれる。AIが最適なルートを作成、カーナビゲーションの画面などに表示してくれる。介護職員の業務の負担を減らし、施設の人手不足に対応する。
事業者が支払うシステムの料金は、利用者が30人規模の施設では月1万2000円前後、システムと連動したカーナビの市場想定価格は16万2000円前後。2~3年以内に1000施設まで利用を拡大することを目指す。