月別アーカイブ: 2017年12月

20年度から3~5歳の認可保育所無料に 政府閣議決定

20年度から3~5歳の認可保育所無料に 政府閣議決定

政府は12月8日、臨時閣議を開き少子高齢化に対応するため2兆円規模の政策パッケージを決定した。幼児教育・保育や高等教育の無償化を2020年度4月から実施することなどを明記。財源には2019年10月の消費税率10%への引き上げによる増収分と企業からの拠出金を充てる。
これにより、3~5歳の子供が通う認可保育所は完全に無償化する。0~2歳や大学生は低所得世帯に限って無償化する。認可外保育所および、詳しい制度設計は2018年度春に先送りされた。

生活保護の生活扶助引き下げへ 低所得世帯を上回る

生活保護の生活扶助引き下げへ 低所得世帯を上回る

厚生労働省の専門家会議の調査によると、大都市の子供が2人いる世帯などで、生活扶助の金額が低所得世帯の生活費を上回ったことが分かった。12月8日に開かれた会議では生活扶助の基準額と、一般世帯のうち収入が低いほうから10%以内の世帯の1カ月の平均支出を比較した結果が示された。
これによると、大都市で小学生と中学生の子供がいる40代夫婦の世帯では、生活扶助は18万5000円余りで、収入が低い世帯より2万5000円余り、率にして14%多く、65歳の単身世帯などでも生活扶助が上回っていた。厚労省ではこうした世帯では基準額の引き下げを検討する方針。
一方、大都市で30代の母親が小学生1人を育てる母子家庭では、生活扶助は11万4000円余りで、収入が低い世帯より逆に5600円余り、率にして5%下回り、基準額の引き上げも検討される。
生活保護のうち食費や光熱費などの生活扶助は、地域や年齢、世帯人数などによって支給の基準額が決まっていて、厚労省は5年に1度、専門家の会議で見直しを検討している。

認知症 世界で5000万人、2050年に1億5200万人 WHO推計

認知症 世界で5000万人、2050年に1億5200万人 WHO推計

世界保健機関(WHO)は12月5日、世界の認知症患者は推計5000万人おり、毎年1000万人が新たに発症するなど増加傾向にあると発表した。
2030年には8200万人、2050年には1億5200万人に達する可能性があり、WHOは「国際公衆衛生上の優先事項として、各国で協力して対処する必要がある」と指摘している。
日本でも認知症は深刻化。厚生労働省によると、65歳以上の認知症患者は2025年には約700万人に増える見通しだ。

後期高齢者医療制度の保険料 高所得者の上限額引き上げ

後期高齢者医療制度の保険料 高所得者の上限額引き上げ

厚生労働省は、75歳以上の人が加入する後期高齢者医療制度の保険料を4年ぶりに見直し、平成30年度から年金の収入が864万円以上の人が1年間に納める保険料の上限額を現行の57万円から5万円引き上げて62万円にする方針を決めた。高齢化の進展に伴い増え続ける医療費の財源を確保する一環。
また、自営業者らが加入する国民健康保険の保険料も2年ぶりに見直し、給与の収入が1078万円以上の単身世帯と、年金の収入が1062万円以上の単身世帯については、平成30年度から年間の保険料の上限額を現行の73万円から4万円引き上げて77万円にする方針だ。
ただ、40歳から64歳までの国民健康保険の加入者が健康保険料とともに納めている介護保険料の上限額は年間16万円のまま据え置くことにしている。

横浜市の新基準の「待機児童」前年の4.8倍の1877人に

横浜市の新基準の「待機児童」前年の4.8倍の1877人に

厚生労働省の新たな「待機児童」の定義に基づきカウントし直した横浜市の待機児童数が10月1日時点で、前年同期の391人から4.8倍の1877人に達したと同市が発表した。
これまでは保護者が育児休業中の児童の場合、待機児童に含めていなかった。そのため、同市は2013年5月に「待機児童ゼロになった」と発表していた。だが、今年3月、厚生労働省が働き方改革などの一環として、保育所に入れなかった児童を持つ保護者に「復職の意思があれば、待機児童に含める」とする新たな基準を公表した。

介護報酬 来年度から引き上げへ 上げ幅は微増

介護報酬 来年度から引き上げへ 上げ幅は微増

政府は、介護報酬を来年度から引き上げる方向で調整に入った。具体的な上げ幅は年末までの予算編成作業で決めるが微増にとどまる見通しだ。業界全体で慢性的に不足している介護人材を確保するには、介護事業者の経営改善につながる報酬引き上げが必要と判断した。
3年に1度見直し改定される介護報酬は、前回2015年度は2.27%の引き下げで、2016年度の介護事業者の利益率にあたる収支差率は、全サービス平均で3.3%と2014年3月より4.5㌽低下している。厚生労働省は前回のマイナス改定に加え、事業者が職員確保のため賃金に回す資金を増やしたことが経営を圧迫したと分析した。
ただ、介護報酬が引き上げられると、利用者の1~3割の自己負担や40歳以上が支払う保険料が増えることになる。

介護職の在留資格見直し無期限で日本で勤務可能に制度変更へ

介護職の在留資格見直し無期限で日本で勤務可能に制度変更へ

政府は介護現場の慢性的な人材不足を緩和するため、介護現場で働く外国人技能実習生が国家資格の介護福祉士試験に合格すれば、いったん帰国した後に復帰、日本で介護職として働き続けられるような制度の見直しをする方針を固めた。
外国人技能実習制度の介護職は、2017年11月から初めての対人サービスとして制度の対象に加わった。実習生は最長5年、日本で働くことができる。今回の介護職の在留資格の見直し案は、介護職員として日本で3年以上働き、介護福祉士資格を取得すれば無期で日本で働き続けられるようにするものだ。この要件を実習期間中に満たせば、いったん母国に戻った人が、在留資格を実習生から介護職に変えれば再入国できることになる。
介護職として日本で働き続けられる外国人は現在、様々な制約がある。経済連携協定(EPA)の仕組みで候補生として、インドネシア、フィリピン、ベトナムから来日したり、留学生として日本の養成校で2年以上学んだりして介護福祉士試験に合格した人などに限られている。