一般社団外国人介護留学生支援機構 はじめに（約300字）
日本の高齢化が急速に進む中、介護人材不足は深刻な社会課題となっています。こうした状況に対し、特定技能制度をはじめとする外国人材の受け入れが進んでおり、従来のベトナムやインドネシアに加え、最近では「モンゴル人」が注目されています。モンゴルは親日的な国であり、勤勉で誠実な性格が評価され、介護現場でも活躍が期待されています。さらに、ICTや製造業など幅広い分野での就労実績もあり、今後の人材供給源として注目度を高めています。本記事では、モンゴル人材が日本で働く理由、特定技能制度における受け入れ状況、そしてどのような分野で活躍しているかを詳しく解説します。
1. モンゴル人材が日本で働く理由
モンゴルという国について
モンゴルは、中国とロシアに挟まれた内陸国で、広大な草原と遊牧文化で知られる国です。国土面積は日本の約4倍に相当するものの、人口は約340万人と少なく、人口密度は世界でも最も低い国のひとつです。首都はウランバートルで、近年は都市化が進む一方、伝統的なゲル（移動式住居）で生活する人々も多くいます。
経済的には鉱業や畜産業が中心ですが、近年は海外での就労や留学を希望する若者が増えており、特に日本は「親日国」として人気の渡航先の一つです。日本語学習者数は年々増加しており、日本文化への理解度も高いため、日本で働く際の適応力に優れています。
1. 親日的な国民性
モンゴルは歴史的にも日本との交流が深く、特に相撲や柔道などスポーツを通じて日本文化への親近感を持つ人が多い国です。日本語学習者も年々増加しており、日系企業や日本での就労を希望する若者が増えています。こうした「親日国」という背景は、日本で働く動機の大きな一つになっています。
2. 教育水準の高さと海外志向
モンゴルは大学進学率が約65％と高く、ICTや理数系の教育水準が比較的高い国です。しかし国内の雇用機会は限られており、若年層が海外での就労を目指すケースが多いのが現状です。日本は技能実習や特定技能の制度を通じて門戸を開いているため、安定した就労先として選ばれています。
3. 経済的な背景と家族志向
モンゴルの平均月収は日本に比べて低いため、海外での就労によって家族の生活を支えることを目的とする人が多くいます。特にモンゴルでは「家族を大切にする文化」が根強く、日本での収入を仕送りにあてることで両親や兄弟を支えるという考え方が一般的です。
4. 日本の労働環境への魅力
日本は労働環境の安定性が高く、法整備も進んでいるため「安心して働ける国」として評価されています。また、特定技能や技能実習制度を通じて、就労から資格取得、そして長期在留へとつながるキャリアパスが整備されていることも魅力のひとつです。
5. 介護分野を中心とした人材需要の高さ
特定技能制度の分野別内訳を見ると、モンゴル人は介護・建設・農業などで活躍しています。特に介護分野は「日本語教育を受けたうえで誠実に取り組める人材」として高く評価されており、日本側からの受け入れ需要が強いことが、働く理由の一つとなっています。
2. 特定技能制度におけるモンゴル人受け入れ状況
特定技能1号での在留人数
2024年6月時点で、モンゴル籍の特定技能1号在留者は約1,130人に上ります。
介護分野での活躍
特定技能として受け入れられているモンゴル人のうち、介護分野は最多の169人が従事しており、建設や農業・飲食製造など他分野も含め、多様な職域で活躍しています。
3. 特定技能制度全体におけるモンゴル人の位置づけ
全体におけるモンゴル人の比率
2024年12月末時点で、特定技能外国人は全体で284,466人。そのうちモンゴル人は総数の中からも比較的少数ですが、特にミャンマーやインドネシアと同様に一定の存在感があります。
主な活躍分野
モンゴル人特定技能では、介護が最多（169人）、続いて建設（48人）、農業・飲食製造（各42人）と続き、日本の人手不足分野を支える人材として活躍しています。
OKS国際事業協同組合｜外国人技能実習生共同受入事業 |4. 模擬比較：モンゴル人材の強みと将来性
| 評価項目 | モンゴル人材の強み |
|---|---|
| 教育・技能 | 大学進学率が高く、ICT・科学技術に強み。 |
| 多様な在留形態 | 特定技能・技能実習・留学など多様な形で受け入れが可能。 |
| 分野別活躍 | 介護を中心に、建設・農業・製造など幅広い分野で活躍。 |
| 親日性・適応力 | 親日的で日本文化に馴染みやすく、言語習得にも意欲的。 |
| 将来性 | まだ少数であるが、その分今後の供給拡大や活用余地が大きい。 |
まとめ
モンゴル介護人材はまだ受け入れ数こそ少ないものの、親日的で文化的に馴染みやすい国民性、勤勉で誠実な人柄、介護を含む幅広い分野で活躍できる教育水準の高さといった点で非常に優れています。特定技能制度を通じて、介護・建設・農業・製造といった日本の人手不足分野を着実に支える存在となっており、今後さらに受け入れが拡大していくことが期待されます。
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