外国人材による訪問介護系サービス解禁について

概要

2025年より、政府は 外国人材による訪問介護 を正式に解禁しました。これまで施設内での介護に限られていた外国人労働者が、今後は日本人高齢者の自宅を訪問し、介護サービスを提供できるようになります。

背景

日本では高齢化が進み、介護人材の深刻な不足が続いています。特に訪問介護の分野では、地域に密着した支援が求められているにもかかわらず、担い手不足が課題となっていました。

このような状況を受けて、政府は「特定技能制度」や「介護福祉士資格」を持つ外国人に対して、訪問介護の業務を解禁する方針を打ち出しました。

制度スタート日と対象資格

  • 技能実習:2025年4月1日施行
  • 特定技能1号:「介護」在留資格保持者:2025年4月21日施行

対象者の条件

  • 介護職員初任者研修(旧ホームヘルパー2級)修了
  • 介護施設等で原則1年以上の実務経験(例外も一部あり)
  • 日本語能力:JLPT N4以上、加えて介護日本語評価試験合格など

事業者に求められる義務(5大遵守事項)

  • 基本研修の実施
  • 一定期間の同行支援(OJT)
  • 本人意向を踏まえたキャリアアップ計画の策定
  • ハラスメント防止のための相談窓口設置・マニュアル整備
  • ICTを活用した緊急時対応・連絡体制の整備

主な背景と狙い

  • 深刻な人手不足:訪問介護は倍率14倍に達するなど、慢性的な介護人材不足に対応する緊急策
  • 受け入れ環境の成熟:「技能実習」「特定技能」で成り立ったシステムがある中、個人宅での訪問介護も可能に

メリットと課題

メリット

  • 施設での実務経験を積んだ外国人材の在宅ケアへのステップアップが可能
  • 訪問介護分野の人材不足対策として非常に期待される

課題

  • 小規模事業所におけるOJTや研修・ICT整備負担が重い
  • 言語・文化の壁:方言や非言語コミュニケーションの違いによるトラブルの可能性

外国人による訪問介護の解禁は、日本の介護業界にとって大きな転換点です。地域の支え合いを広げる新たな担い手として、外国人介護人材の活躍が期待されます。今後も適切な受け入れ体制づくりと、利用者・事業者双方の安心につながる取り組みが求められます。