「特定技能」という言葉を最近よく聞くようになりましたが、その裏側で活躍している“登録支援機関”については、まだあまり知られていないかもしれません。
今回は、外国人材と企業をつなぐ重要な存在である「登録支援機関」の役割と具体的な業務について、やさしく解説します。
■ 登録支援機関ってなに?
登録支援機関とは、「特定技能」ビザで働く外国人材が、日本で安心して働き、暮らせるように特定技能所属機関(受入れ企業)からの依頼を受け支援(サポート)を行う専門機関です。
例えば、日本で働くのが初めての外国人材が、言葉や文化、母国には無いルールの違いに戸惑ってしまうことは珍しくありません。登録支援機関はそんな外国人材の生活の手続きや仕事の相談に乗り、支援を行う業務を担っています。
実はこの登録支援機関という制度、日本政府(出入国在留管理庁)がしっかりとルールを設け、許可を受けた企業や団体だけが登録できます。つまり、きちんと信頼されたパートナーということですね。
■ どんな支援をしているの?
登録支援機関は支援計画に沿った中立的な立場で支援を行い、特定技能外国人材のサポートや受入れ企業と外国人材の認識のズレを解消します。
では、登録支援機関が行う支援内容には、どのようなものがあるのでしょうか?
実は、登録支援機関が行う支援内容は法律で定められた「10項目」が基本となっており、以下のようなことをしています。
- 1.入国前の説明(事前ガイダンス)
日本に来る前や転職前に、どんな仕事をするのか?や、給与などを含む雇用条件等どんな生活になるのか?を母国語でしっかり説明します。 - 2.空港への送迎
外国人が安心して入国・帰国できるように、空港からの送迎を手配。 - 3.住まい探しのお手伝い
住まい探しをはじめ、水道・ガス・電気など直ぐに生活が出来るように契約のサポートも行います。 - 4.日本での生活ルールを教える(オリエンテーション)
ゴミの出し方や交通ルール、緊急時の連絡先など、日常生活の基礎をしっかり教えます。 - 5.日本語学習の支援
日本語を学べる環境を整えたり、教材の紹介などを行います。 - 6.困ったときの相談窓口
仕事の悩みや生活の不安を気軽に相談できる体制を整備。 - 7.地域との交流促進
イベントなどを通して、日本人とのつながりを作るサポート。 - 8.転職のサポート(必要時のみ)
やむを得ず仕事を辞めた場合、新しい職場探しも支援。 - 9.定期的な面談・報告
本人の状況を把握し、企業や行政に報告する役目も。 - 10.支援計画の管理
これらの支援がちゃんと行われているかをチェック&記録。
■ 支援機関がいることで、みんなが助かる
登録支援機関は、ただの「代行業者」ではありません。
文化や言葉の壁を越えて、日本と外国人材をつなぐ“架け橋”のような存在です。
外国人材にとっては「頼れる相談相手」であり、企業にとっては「スムーズな受け入れのパートナー」。双方にとって、安心と信頼をもたらす重要な存在なのです。
■ まとめ:外国人と企業の「安心」を支えるプロフェッショナル
特定技能制度を円滑に、そして人間的に温かく運用するうえで、登録支援機関は欠かせない存在です。制度としての枠組みだけでなく、「人と人とのつながり」を大切にする支援こそが、私たちの使命だと考えています。
これからますます増えていく外国人労働者の受け入れ。その先にある共生社会を実現するためにも、登録支援機関の果たす役割は、ますます重要になっていくでしょう。