タイ政府 日本の介護事業モデル導入へ 根付くか「日本型」

タイ政府 日本の介護事業モデル導入へ 根付くか「日本型」

高齢化が進む東南アジア諸国。そんな地域でいま耳目を集めているのが「日本型」介護だ。中でもタイ政府が日本の介護事業モデルの導入に乗り出した。
バンコク郊外の高齢者向けのデイケアセンターでは、日本の国際協力機構(JICA)が介護プランの作成などを指導。介護事業者の海外進出を促し、”おもてなし”の精神をベースにした日本型介護の輸出を目指す日本政府も支援を進める。
ただ、現状では国民意識や感情の違いもあって、民間企業の事業者らが介護に関わる「日本型」がなかなか広がらないという。これはタイに、家族や地域がお年寄りの世話をすべきだという旧来の意識が根強くあるからだ。
また、「介護」そのものに対する意識や認識の違いもある。タイでは一般的に寝たきりの人の世話するのが「介護」とされる。しかし、日本式介護の取り組みをみて、福祉関係のボランティアらは「一人ひとりに合わせてきめ細かなケアプランをつくる日本型の介護は、利用者に喜ばれていることは事実」と証言している。
果たしてタイに日本型介護が浸透、根付くのか?現実問題として家族や地域の力だけでは極めて限界があるだけに、要介護者に寄り添い、地道に作業を積み重ねていく日本型介護の精神を目のあたりに示し、根付かせていくしかないのかもしれない。